リハビリテーションとは、
職業リハビリテーション
国際労働機関(ILO)の定義より
(1)定義と目的
職業リハビリテーションとは、継続的かつ総合的リハビリテーション過程のうち、障害者が適当な就業の場を得、かつそれを継続することができるようにするための職業的サービス、例えば、職業指導、職業訓練、および選択的職業紹介を提供する部分を言う。
(1955年「障害者の職業リハビリテーションに関する勧告」(第99号勧告)より)
これによると、職業リハビリテーションは総合リハビリテーションの一過程として、就業の場を得、さらにそれを継続するためのサービスを行うものだと考えることができます。
その後、ILOは1983年に「障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約」(第159号条約)及び「勧告」(第168号勧告)において、職業リハビリテーションの目的を次のように規定しています。
職業リハビリテーションの目的は、障害者が適当な雇用(employment)に就き、それを継続し、かつ、それにおいて向上することができるようにすること並びにそれにより障害者の社会への統合または再統合を促進することにある。
ここでは、1995年の勧告に加えて、雇用において”向上すること”が追加され、障害者が単に適切な職場を得てそれを継続するだけではなく、昇進や待遇などにおいても十分な考慮がされなければいけないことを強調しているといえます。
(2)職業リハビリテーションの内容
職業リハビリテーションの内容については、1985年、ILOが「障害者の職業リハビリテーションの基本原則」で次のようなものがあるとしています。
〇 職業評価
障害者の身体的・精神的・職業的な能力と可能性について、明確な実体を把握すること
〇職業指導
職業訓練や就職の可能性に関して障害者に助言すること
〇職業準備訓練と職業訓練
必要な適応訓練、心身機能の調整、または正規の職業訓練あるいは再訓練を提供すること
〇職業紹介
適職を見つけるための援助をすること
〇保護雇用
特別の配慮のもとで仕事を提供すること
〇フォローアップ
職場復帰が達成されるまでの追指導をすること